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内容を表すもの:投下された方のレス番 の順に内容を表示して掲載させていただきます。 皆からの仲間はずれに:433
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「ねえ○○、あなたは本当に帰ってしまうの?」 「本当に? 本当の本当に? 本当の本当の本当に?」 「――そう」 「そう、なのね○○。行って、しまうのね?」 ―――――――――― 「駄目よ○○、あなたは私のもの何だから」 「だからね、私は考えたの」 「あなたが私の眷族になれば、もうあなたは幻想の存在」 「ここで生きていくしかないわよね?」 「だけど、私は少食だからいつも仲間を増やせないの…」 「どうすれば良いか、パチェに聞いたわ」 「そうしたら、答えは単純」 『あらかじめ、対象の血を抜いておけばいい』 「安心なさい、たっぷり可愛がってあげる」 「だからね、○○」 ――もう絶対放さないんだから――
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前へ 周りの生徒たちの視線を遠ざけるように、小さな円になった私たち。 そこで打ち明けられた、お嬢様からの相談っていうのが・・・ 「・・・なるほど。それは面白いですね、お嬢様」 「うん、絶対なかさきちゃん喜ぶよ!うちも協力するっ」 「じゃあ私、学校新聞にお嬢様のご提案を掲載しますね」 「じゃじゃじゃじゃあ私も協力します!フヒヒヒwww」 それは弱っているなっきぃへの、お嬢様からのサプライズ提案。 テンパってなければ結構的確な意見をくれる熊井さんと、お嬢様を中心に、 “それ”を実行に移すため、私たちは本格的な話し合いに入った。 放課後も学園祭準備の合間に時間を取って、ミーティング。 結構長引いてしまって、お迎えの車が岡井邸の門扉に着く頃にはもう19時近くなっていた。 「・・・あの、えりかさん」 「はい?」 私は寮に、お嬢様はお屋敷へと別れる途中、ふいにお声がかかった。 「・・・あの、えっと、も、もし、お嫌でなければ」 「いいですよ、なっきぃが回復するまで、何日でも泊まってってください。ウチの狭い部屋でよければ」 「本当!?ありがとう、えりかさん」 お嬢様は仔犬みたいにぴょこんと跳ねてから、あとで準備して伺うわと笑顔で手を振って去っていった。 「あ、えりかちゃんおかえり」 一息つこうと向かったロビーのソファ。そこで栞菜と舞ちゃんが、ペンチやらニッパーやら工具を片手になにやら作業をしていた。 「な、何してはるんですか・・・」 舞ちゃんの可憐なお膝に、鎧兜と保護メガネが一体になったような不思議なマスクが乗っかっている。・・・なんだっけ、これ。昔映画かなんかでみたような・・・ 「あ、これね。これはガスマスク。」 「・・・はい?」 「執事さんから、お屋敷でいらなくなったガラクタもらって作ったの。舞栞菜特製、ダー○ベイダーモデルだよ。これ被ったら、千聖もなっちゃんのお見舞いに行けるでしょ?」 ――なっきぃ、シュコーシュコー。お加減はシュコーどうかしらシュコーシュコー ――ギュフー!!!(バタッ) 「・・・それは、やめたほうがいいのでは」 「ん?なんで?」 2人とも、せっかく賢く生まれてきたっていうのに・・・こういうのを才能の無駄遣いって言うんですね、わかります。 無駄に完成度の高いそのマスクを被った栞菜が、あの映画のテーマを歌いながらウロウロ動き回っていると、背後でヒッと息を呑む声がした。 「あ、千聖」 「あ、ああああのどどどどちら様でフガフガフガフガ」 「シュコー、お嬢様怖くないシュコーですよグヒョヒョヒョでもこれシュコー超息苦しいシュコーんですけど」 涙目であとずさるお嬢様を庇うように、めぐぅが前に立ちはだかった。 「この℃変態め!お嬢様に危害を加えたら許さないからねっ!」 「まだ何にもしてないシュコーかんなっ」 拳法のポーズを取る鬼軍曹メイドVS、首から下はルームウェアのダー○ベイダー。何それ怖い! 意味不明な緊張感に包まれているロビー。それをどうにか取っ払おうとしたのか、お嬢様がめぐぅの背後から、引きつった笑顔を見せた。 「あ、あら、栞菜だったのね。ウフ、ウフフフ・・・な、な、なぁに?そのマスクは」 「ハァーンお嬢シュコー様!これはですねシュコー」 そのまま近づこうとする栞菜からマスクを剥ぎ取って、「ちしゃと。これはね、ちしゃとがなっちゃんの・・・」と舞ちゃんが説明を始めた。 「まあ・・・それを、千聖が?」 お嬢様は目を丸くして、お面の表面をそっと指で辿った。 リボンとかピンク色とか、可愛らしいアイテムが大好きなお嬢様のことだから、さすがにこれはちょっと・・・と思っていたら 「め・・・村上さん。これを被ったら、なっきぃに会ってもいいのかしら?」 「えぇっ!」 意外なほど、お嬢様はあっけらかんとした表情だった。 「いや・・・ちさ・・・お嬢様。それはちょっと・・・うーん」 いつもなら両手で思いっきり×を作って「ダメですっ!!」と叫んでいたところだろうけど、根本的には優しいめぐぅ、舞ちゃんや栞菜の汚れた手を見てしまったら、無碍に断れるものでもなかったらしい。 「あ、あのさ!」 微妙な空気になりかけているのを悟って、私は慌てて口を開いた。 「側にまで行くのは難しいかもだけど、せめて部屋の玄関か廊下までっていうのはどうかな?ほら、大丈夫だよこんな立派なマスクがあれば!あははウチも被っちゃおうかなーとかいってw」 カポッ ――うえっ、蒸し暑っ! 「プッ・・・もう、仕方ないですね」 1人で焦りまくってる私が面白かったのか、めぐぅは表情を和らげて、お嬢様の頬を軽く撫でた。 「いいですか、廊下までですよ。早貴さんの顔を見たら、速やかに部屋から出る事!」 「めぐ、本当に?いいの?」 「はい。・・・私だって、別に鬼じゃないんですから」 最後の発言に舞ちゃんと栞菜は首を捻っていたけれど、とにかく、めぐのお墨付きということで、お嬢様は律儀にマスクを被って、階段を上がっていった。 「シュコー」 「んへぁっ!?」 「うひゃあ!」 そして丁度、なっきぃの部屋から出てきた愛理と舞美ちゃんが、ダースお嬢様を見て腰を抜かした。 「あはは、驚かせてごめん。あんまり気にしないで・・・。それより、なっきぃはどう?」 「へえ?あ、え、えーっと、だいぶ回復してきたみたい!今は微熱ぐらいだし、さっき鮭と梅干のおかゆも食べてたよ!あはははは!」 喋りながら、お嬢様のマスクをコンコン叩いて遊ぶ舞美。 「ねーあとで私にも被らせて!これでなっきぃのとこ行ったら、ショックで逆に元気になるんじゃない?とかいってw」 「ケッケッケ。私も興味あるなぁ~。じゃあまたね!」 最初はびっくりしたものの、さすがの適応力というか。2人はニコニコしながら、お屋敷のお手伝いをしに、1階へ下りていった。 その背中を見届けて、ついにお嬢様はなっきぃの部屋の前に立った。 「うるさくしちゃったら悪いし、こっからはえりかちゃんと2人でね」 肝心なところは暴走しないでくれる舞栞菜に安心して、私は深呼吸を一つ、なっきぃの部屋にお邪魔した。 「ちょっと待っててくださいね」 ベッドルームに繋がる廊下でお嬢様に一声かけて、一人でなっきぃのベッドまで足を運ぶ。 「なっきぃ、お疲れのとこごめんね」 「あ・・・えりこちゃん」 ちょうど、布団に入ろうというタイミングだったなっきぃは、少し赤みの戻ったほっぺたを緩めて微笑んだ。 今朝は起き上がるのもつらそうだったぐらいだから、舞美たちの言うように、かなり良くなってきたみたいだ。 「ケホケホ・・・ごめんね、まだ咳だけ残ってて」 「無理しないで」 律儀に立とうとするなっきぃの肩を抱いて、そっとお嬢様のいる方向を指さす。 「シュコー」 「ひぎぃっ!」 一瞬、その異様な出で立ちに目を剥いたものの、なっきぃはそれが誰だかすぐにわかったみたいだ。 「えりこちゃん・・・」 みるみるうちになっきぃの目に涙が溜まって、お鼻が真っ赤になった。 「よかったね」 「ん・・・」 「シュコー」 ブハッ 顔だけダー○ベイダーの小さな肢体を見つめながら涙ぐむ、病床の少女。よく考えればシュールなこのシチュエーションは、私の笑いのツボをゆっくり刺激し出した。 「さ、さて!なっきぃはこのまま療養に専念すること!これで微熱も引いたら、お嬢様をちゃんと部屋にお招きできるからね。また寝る前に、お嬢様と来るから」 「うん・・・ありがと、ケホケホ」 はにかむ笑顔に、安心感を覚える。 このまま例の計画とともに、なっきぃの体調も本調子になるといいな、と思いながら、私はダースお嬢様の肩を抱いて、ひとまず部屋をあとにした。 次へ TOP
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プレイヤースキル 財力 厨房度 ? ? ? ランカークラス Class ? キルクラス Class ? デット数 ? 所属部隊名 発言の痛さ 無し 勝ち馬属性 無し 戦闘スタイル 総評 本人への要望
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春-61E(SR) P-21 Bカード カードタイトル 三千院 ナギ パワー 3000 アドヴァンス パジャマx1 ジョブ パジャマ お嬢様 illus 羽戸 らみ(春-61E) 畑 健二郎(P-21) DS 4 PS 2 このカードがスタンバイゾーンに移動した時、あなたのデッキから「パジャマ」の『綾崎ハヤテ』のBキャラカードを1枚まで選んで、手札に加える。その後シャッフルする。 やっ、これはだな、別に、その、違うんだからな!(春-61E) …私が寝るまで…そばにいてくれないか?(P-21) システム起動がなかなか使えるので、それを持ってこれるこのカードはなかなか優秀 夏ナギでもいい気がするけど、パジャマ使うならやっぱりパジャマのカードの方がいいです タマが何気にパジャマ持ちなので、このカードをセットしてさっさとタマセットすれば2ドローできます P-21は、ゲーマーズの"ハヤテのごとく!TCG 第7弾 発売記念フェア"にて配布。
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前へ 庭園の外灯にしがみついているうちに、大きな揺れは収まった。 メイド生活35年。こんな震災に見舞われたのは初めてだった。まだ足が震えている。 見たところ、自分が掃除を行っていた周辺には、目だった被害は見受けられない。 これだけ頑丈なお屋敷だ。おそらく、大きな混乱もないと推測できる。だけど・・・ 「お嬢様・・・」 今も部屋の中で震えているであろう、千聖お嬢様のことが頭をよぎった。 旦那様も奥様もいないこの状況で、さぞかし恐ろしくて、心細い思いをしていることだろう。 しっかり者の村上さん(口は悪いけど)が、そばにいて差し上げていればいいのだけれど。 「すぐに、旦那様に連絡を。私は屋敷内を・・・」 一緒に作業に当たっていた執事とメイドに指示を出し、小走りに玄関へ向かおうとした時。 「めーどちょーさん!」 独特の、舌たらずな声。 振り向くと、意志の強そうな大きな目が私をまっすぐ見据えていた。 「萩原さん。寮は、大丈夫ですか?」 「問題ないです。寮内はみんなで点検しました。 舞美ちゃんは外の様子を見に。愛理は生徒会メンバーに連絡中。なっきぃは棚から落ちた小物を元に戻してて、えりかちゃんはさめざめ泣いてるけど、まあ大丈夫。それより」 いつもどおり、無駄なく要点を纏めたその口調。それでも若干早口で、珍しく興奮した様子なのが見て取れる。 「千聖お嬢様、ですね」 そう指摘すると、萩原さんは決まり悪そうに眼を逸らした。・・・ふっふっふ。こちらだってだてに年をとっているわけじゃない。 難解そうな萩原さんの思考だって、よくよく観察していれば理解もできるというもの。 寮の生徒さんたちは、本当に千聖お嬢様に親切だと感じる。 中でも萩原さんは、常にお嬢様の様子を気に掛けてくれていて、大好きで独占したいっていう気持ちを真っ直ぐぶつけている。 比較的落ち着いた性格の彼女が、お嬢様の事となると目の色が変わるのはなんだかほほえましい。 お嬢様がもっと大人になって、ボーイフレンドが出来たとしたら、こんな感じの誠実でまっすぐな子ならいいのに、なんて老婆心が疼いた。 「お屋敷内にいると思うので、今から様子を見に行こうかと」 「舞も行く」 私がよっこらしょと立ち上がったら、おそらく無意識なのだろう、そっと手をつないでくる。 やっぱり、しっかりして見えても15歳の等身大の女の子。大人の愛情を感じたいことだってそりゃああるに決まってる。まして、こんな大きな地震の後だ。 「千聖、大丈夫かな」 「ええ。こう見えても、お屋敷のスタッフは頼りになるんですから」 「・・・うん」 ***** 食堂のほうへ向かうと、メイドと執事たちがいっせいに整列している様子が見えた。 大方、執事頭が指示を出しているのだろう。今から手分けして、お屋敷の安全確認といったところか。 「あら?」 だけど、その執事頭は、なぜか列の一番後ろに立っていた。 おかしい。このような場合、マニュアルに沿って行動するよう義務付けられているはずなのに。怪我でもしたならともかく、変わった様子は見られない。 「あっ・・・」 ふいに、萩原さんが小さく息を呑んで私のスカートを軽くひっぱる。 その視線を辿ると、まず、不安定にゆれる拡声器が目に入った。 「ちさと・・・」 「えっ」 そう、梯子式の脚立の上に立って、ぐるりと食堂を見回しているのは、千聖お嬢様だった。 小さな頭には大きすぎるヘルメットのせいで、端正なお顔は半ば隠れてしまっているけれど、独特のふがふがしたお声を聞けばすぐにわかる。 目を凝らせば、脚立を全力で押さえて安定させてあげている矢島さんの姿も確認できた。 「・・・少しでも怪我をしていたり、体調の悪いスタッフは、遠慮せずに千聖に言いなさい。パパ・・・お父様が用意してくださっていた、非常時用のお薬の備蓄があるわ。 それ以外の人は、先ほど決めたグループごとに、お屋敷を巡回してきてちょうだい。めぐ・・・村上さんはお父様たちに連絡を。 焦る必要はないわ。安全最優先で、業務にお励みなさい。命令よ!」 はい、かしこまりました!と綺麗に揃った声に、私は思わず感嘆のため息をこぼしてしまった。 「メイド頭さん、泣いてる?大丈夫?」 「いえいえ、年取ると涙もろくなって。お気使いなく」 不測の事態にも、動じず対応できる頼もしい仕事仲間たちの勇姿。 そして、旦那様譲りの凛々しい瞳を煌々とさせながら、お屋敷の秩序を守ろうと奮闘するお嬢様。 部屋で泣いているのでは、なんて失礼にも程がある想像だった。子供だ、子供だと思っていた千聖様は立派な主として、この場を治めている。 ただそこに居てくださるだけで、みんなの士気を格段に上げてくれる。 千聖お嬢様は間違いなく、この家の守り神なのだと実感した。 「・・・ひっく。あたい、千聖お嬢様になら抱かれてもいいかんな」 「はぁ!?」 いつの間に私たちの後ろにいたのか、振り向くと昔の少女漫画みたいなキラキラした目の有原さんが、お嬢様にお熱な視線(死語)を送っていた。 「ひっく・・・一緒にお昼寝してたら、大きい地震が来て。私は腰抜かして動けなかったんだけど、お嬢様はすぐにドアを開けて私を逃がしてくれたの」 「こぉんの役立たずが!何のための添い寝係だよっ」 「なんとでも言うがいいかんな。 あの時の、お嬢様のイケメンすぎる男前っぷりときたら・・・私、基本的に栞菜×千聖希望なんだけど、千聖×栞菜とか全然ありだかんな」 「ちょーし乗んなっ℃変態のくせに!もー絶対添い寝係クビにしてやるから!」 ・・・まぁ、捉え方の難しい愛情も一部含まれてはいるけれど。 とにかく、まだまだ子供だったお嬢様の、立派な姿を眼にすることが出来たのはとても嬉しい。 落ち着いたら、旦那様と奥様にも手紙でお伝えして差し上げたい勇姿だった。 「あ・・・」 私の姿を目にした、その小さな主が小走りに駆け寄ってくる。 「お怪我は?食堂にいないから、心配したのよ」 「ご心配なく。庭にいたものですから、到着が遅れてしまって」 「そう・・・」 細い息を吐く背中を、軽くなでる。 スキンシップはお好きじゃないお嬢様も、これぐらいは許容範囲だろう。 「でも、お嬢様が立派に指示を出していらっしゃる姿は、ちゃんと見ていましたよ」 「まあ・・・はずかしいわ」 耳まで真っ赤に染めたお嬢様は、そっと私の胸に頬を寄せた。 「お嬢様?」 「ウフフ・・・なれないことをしたから、疲れてしまって」 「そうですか」 その声が、体が、少し震えていたことは、気づかないふりで流してあげましょう。 萩原さん同様、お嬢様だって、不安を隠して頑張りとおしていたのだろうから。 「そうだ、おやつがまだでしたね、お嬢様。 甘いものを食べて、一段落しましょう」 「でも・・・メイドも執事も働いているのに」 「いいんですよ。私たちにとって、お嬢様が落ち着いて過ごされている事が、一番の幸せなんですから」 後押しするように、萩原さんもお嬢様の肩をぽんぽんと撫でてくれる。 それで、やっとお嬢様はうなずいてくれた。 「じゃあ、みんなを呼んでくるかんな!」 「てか、舞美ちゃんまたパトロール出ちゃったみたい!もう、気まわしすぎ!」 元気な声を背中に、私は調理場へと赴いた。 それぞれ、心細い思いをしているであろう、可愛いくて優しいお嬢様方を励ますために。 私の今日の最大のお仕事は、今から始まるのだ。 次へ TOP
https://w.atwiki.jp/chisato_ojosama/pages/469.html
前へ 「ぐわっ・・・!!」 お嬢様の全力シュートを鳩尾にくらって、お屋敷で一番若い執事さんが吹っ飛んだ。 「あわわわ」 ゴールポストの周りに散らばる、執事さんたちの屍・・・。家長代理の執事さんはおじいちゃんだから除外されたけど、みんなお嬢様のゴールキーパーに任命された、哀れなる子羊たち。 「さあ、次のキーパーはどなたかしら?まだまだほんのウォーミングアップよ!」 Sサイズの日本代表ユニフォームを着こなしたお嬢様。手を腰に当て、片足をボールに乗せた勇ましい御姿で、ぐるりと周囲を見回す。 スポーツ大好きっ子なお嬢様は、今サッカーのワールドカップにどっぷりハマッている。 連日、舞美とシアタールームに篭って観戦に勤しんでいるのは知っていたけど・・・ついに、自分でもやり始めるという暴挙(?)に出た。 まずはシュート練習を・・・ということになり、キーパーに任命された執事さんたちは最初こそはりきっていたものの、予想を遥かに上回るお嬢様のスーパープレイの前に、次々となぎ倒されていく。 運の悪いことに、今日はサッカー仲間の舞美はお出かけしていて、この全力プレイに立ち向かえる人が誰も居ないのだった。 「あら・・もう男性はいないのかしら?仕方ないわね。えりかさん?ゴーr」 「無理!」 突然のご指名。でも、今の私がお嬢様にしてあげられることなんて何もない。 ゴールキーパー?またまたご冗談を。体育における私のヘタレッぷり、知らないはずもないだろうに。身長だけで選んでもらっちゃあ困る。 「まあ、残念だわ。でも確かに、キーパーなんてしたらえりかさんの美しいネイルが欠けてしまうかもしれないものね」 「は、おありがとうございます!」 良かった、まだ女の子らしい理性は残っていたようだ。共通の趣味であるネイルに感謝しなくては・・・! 「ふふん、サッカーなんかにむきになっちゃって。千聖って本当ガキなんだから」 私の傍らで、舞ちゃんが毒づく。 「ま、でも、どうしてもって言うなら・・・」 「もう、舞ったら意地悪ばかり言うんだから。サッカーは楽しいのよ。舞はお付き合いしてくださらないのでしょうけれど」 「えっ」 あーっと!お嬢様、舞ちゃんからのパスを華麗にスルー!明らかにへこんじゃってるそのお顔にも気づかずに、また新たな生贄探しを始めているっ! 「おじょじょ、じょじょお嬢様!そそそれではなっきぃが!キュキュフフフフ」 すると、今度は意を決したなっきぃが名乗りをあげる。 でも・・・私知ってます!あなたの身体能力が、私と対と張るレベルだっていうこと! 「なっきぃがお相手をしてくださるの?嬉しいわ」 「ちょ、お嬢様!」 「キュフフ・・・いいの、えりこちゃん。なっきぃは平凡な人生は叶えられない身だケロ。薔薇は気高く咲いて美しく散るケロ・・・」 覚悟を決めたなっきぃの横顔は、凛々しくて高潔で・・・あ、ヤバイ。ちょっと感動して涙出た。 「ば・・・バッチこいヤァーぁ!」 ゴールポストの前、生まれたての小鹿みたいにぷるぷるしてるなっきぃが、精一杯の表情でお嬢様を威嚇する。 「お嬢様、手加減は無用ですっ!私、負けず嫌いなんで、正々堂々とお嬢様のシュートを止めたいんです!」 その言葉に、お嬢様の表情がより一層引き締まる。 「そう・・・わかったわ。なっきぃが真剣に向き合ってくださるんですもの。執事たち相手には手加減していたけれど、なっきぃにはそんな失礼なことはしないわ。」 「ええ、うれしいですお嬢・・・・・・・ は?え?手加減?してた?え、ショショションナ!」 「お嬢様待っ・・・」 私の制止は一歩遅く、モンゴルの大草原を疾走する馬のごとく駆け出したお嬢様。その勢いのまま、カモシカのような足が、ボールを力強く蹴りつける。 あとは・・・何も言うまい。 数分後、私は腕の中で「キュフフフ・・・」と虚ろに笑うなっきぃを介抱していた。 致命傷こそ負わなかったものの、ボールの風圧で髪が数本千切れるという超体験は、なっきぃの意識を隣のお空へテイクミーダーリンさせてしまったみたいだ。 「お・・・おぉ・・・我が好敵手なっきぃよ!カタキは必ず取るかんな!」 続いて、目を真っ赤にした栞菜が立ち上がる。 「ちょっと、まだやるの?もういいじゃん!」 一応止めては見たものの、栞菜は硬い表情のままゴールポストに向かう。 「次のキーパーは私だかんな!受け止めてやるぜ、お嬢様のラブ・アンド・パッション!」 ――おめぇ、ココおかしいんじゃねぇか?(AA略) お隣の舞様の表情から、そんなテレパシーを受信して、私は身震いした。 「パ、パッショ・・・?よくわからないけれど、いくわよ、栞菜!」 お嬢様がボールを地面に置く。・・・とその時、なぜか舞様が立ち上がり、走り出した。そのままゴールに向かい、栞菜を押しのけようとする。 「な、なんだよ舞ちゃん!キーパーは私だかんな!舞ちゃんサッカーなんて子どもっぽいって言ってたじゃん!」 「うっさい!ちしゃとは舞のなんだから、舞と遊ぶの!」 「てか順番守ってよー!本当はお嬢様とサッカーしたかったくせに!意地張るからこうなるんだよっ」 「う・・・うるさーい!ちしゃと!もういいからボール蹴って!ゴール阻止できたほうがちしゃとの正妻だから!それでいいよね、ちしゃと!」 鼻息も荒い舞ちゃんに圧倒されたお嬢様は、「え?ほんさ・・・え?わ、わかったわ」とうなずいた。 ――もう、言葉の意味がわからないならうなずいちゃだめだっていつも言ってるでしょうが、お嬢様ったら! 「っしゃーこのやろー!」 「ふんがー!」 前傾姿勢で手を広げ、バスケのディフェンス/オフェンスみたいな小競り合いを繰り返す萩有コンビ。・・・うん、前から知ってたけど本当に君たちは仲がいいね。 「2人とも、千聖のために・・・、私、頑張るわ!メッ○さんに届いて、私のシュート!」 いや、○ッシさんはキーパーじゃない・・・でも、お嬢様はサッカー少年のようにキラキラ瞳を輝かせていて、無粋な突っ込みは無用のようだった。 一呼吸おいて、お嬢様がボールに向かって足を踏み出す。 と、その時、小競り合いを繰り返していたお嬢様親衛隊コンビが、なぜかボール、というかお嬢様めがけて全力ダッシュを始めた。 「お嬢様ハァーン!」 「だめー!舞が先!」 「きゃああ!?」 相当な勢いをつけていたお嬢様の勢いは止まらない。力いっぱい踏み出した足がボールを捉え・・・まるでアニメの世界みたいに、2人の女の子を空へと吹っ飛ばして行った。 「舞!?栞菜!?」 ――ああ、栞菜よ!私は貴女のことを妹と公言して可愛がっている。泣き虫で優しいところも、シャイで猫みたいなところも大好きさ! 意地っ張りだけど、本当は思いやりにあふれてる舞ちゃんのことも、本当に本当に可愛いと思っている。・・・だが、あえて言おう、アホであると! 「きょ・・・今日のところは・・・相討ちだ、かんな・・・」 「ま・・・舞たちの冒険、はこれから・・・・」 「めぐっ!?めぐ、いらっしゃい!担架を用意しなさい、早く!」 「あ、終わった?救急車は大丈夫?うひょー大惨事だねー」 ってあんたら見てたんかい! 木陰で優雅にティータイムを楽しんでたご様子のめぐぅと愛理が、お嬢様風ワンピースに身を包んだお姿でキャッキャウフフとのんびり歩いてくる。 「まったく、まともに千聖の全力サッカーに関わったらこうなるってわからないのかしら?とかいってwオホホホ」 「ケッケッケ、お嬢様ったら体育のサッカーの時は錘を装着して、パワーを抑えているとかなんとか」 「ド○ゴンボールかよ」 「いや、そんな事言ってる場合じゃないじゃん!」 何これ!まともなの私だけ!? どうせここに舞美が戻ってきても、変人が増えて余計に事態が悪化するのは目に見えている。 「ひーん・・・!」 死屍累々のお屋敷の庭の真ん中で、私は半べそのまま天を仰いだのだった・・・。 次へ TOP
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目次 【時事】ニュース由香奈お嬢様 RSS由香奈お嬢様 口コミ由香奈お嬢様 【参考】関連項目 タグ 最終更新日時 【時事】 ニュース 由香奈お嬢様 gnewプラグインエラー「由香奈お嬢様」は見つからないか、接続エラーです。 RSS 由香奈お嬢様 gnewプラグインエラー「由香奈お嬢様」は見つからないか、接続エラーです。 口コミ 由香奈お嬢様 #bf 【参考】 関連項目 項目名 関連度 備考 参考/男子高校生の日常 ★★★★ 登場作品 参考/米澤円 ★★★ キャスト タグ キャラクター 最終更新日時 2013-09-27 冒頭へ